7th-E-Life by Craftplus

2022.06.14

【第四回】Makuake「繋」ナイフBLOG

前回のブログでは、「繋ぐナイフ」の原型となったFEDECA折り畳みナイフについてご紹介しましたが、今回はその特徴的な刃の部分、“ダマスカス刃”についてご紹介したいと思います。

 

美しい縞目模様の

「ダマスカス刃」の存在感と切れ味。

地形の起伏を表現する、等高線のような美しい縞目が刃にあらわれたダマスカス刃。日本刀をも彷彿とさせるその刃紋はインドのダマスカス地方がその由来といわれ、 “ダマスカス”の刃紋は、その手間暇かけた製作工程や繊細な研ぎ工程もあり切れ味が鋭い証明でもあります。

 

ちなみに、実際に物を切る刀身の芯材には超硬質合金鋼VG-10を使用し、持続性のある切れ味で末永くご愛用いただけます。そのVG-10を芯に片側16層ずつのステンレス層をレイヤー(貼り合わせ)して作り上げたのがこの刃。硬い中心の芯材の外に柔らかな32層の鋼材を包み込むことで、折れにくく、また芯材以外はステンレス素材ですので防錆効果も発揮します。

 

ちなみに、このダマスカス刃を量産の包丁で初めて実現したのが、今回我々がコラボしていただいた「スミカマ」さん。創業は大正5年。106年もの歴史を繋いでいる同社は780年以上の歴史を持つ関・刀鍛冶の伝統と技法を刃物製造技術に生かして高品質な刃物を製造・販売している会社です。今回は関刃物の第一人者として本プロジェクトにご参加いただきました。そんなスミカマさんが長年蓄積した包丁のノウハウを今回のコラボ商品である「繋ぐナイフ」に注ぎ込んでいただくことで完成させることが出来たのです。

スミカマの代表作

「霞<KASUMI>カスミ」とは。

 

切る道具としての機能性を追求したスミカマさんが誇るフラッグシップブランドの「霞」は、2002年と2006年のドイツ、フランクフルトメッセ・アンビエンテにおいてDESIGN PLUSを受賞、世界最高峰の料理コンクールで優勝されたフランス人シェフに使用されるなど、数々の逸話を残す、世界45カ国に輸出されているほど人気のブランドです。

 

“いいものを作りたい”と、見えないところに手をかけ、日々ブラッシュアップしながら、足掛け30年以上の長い年月をかけて開発したハイエンドブランド包丁のこの霞。こちらの霞シリーズはプロの料理人にはもとより、ギフト需要にも人気のブランド。そして最新シリーズのカサネは、そのエントリーのしやすさから男性から女性へのプレゼントとしても人気の品です。またスミカマさんは「中川政七商店」や有名YouTuber「かねこ道具店のきまぐれ包丁」など、数多くコラボしていることでもよく知られています。

 

さて、

ここでダマスカス刃の製作工程をザッとご紹介しましょう。

コンピュータ制御された最新のNC研削マシンで刃のベース部分をレーザーで抜き、研削→砥石工程→革でのバリ取り・研ぎ工程などで完成させます。そして次に、この刃物づくりで一番難しいのが「磨き」にあたる研磨工程。一本一本を職人の手作業で磨き上げます。その磨き作業だけでも、研削機→180番→220番→320番→サイザル(麻)→青棒によるバフ研磨…と、実に6つの磨き行程を経ています。

 

その4番目にあたるミラー研磨もポイントのひとつで、顔が映るくらいまで磨き上げたミラー仕上げの刃材を、その後ショットブラスト加工します。そうするとダマスカスのあの特徴的な刃紋が浮かび上がってくるのです。ここを失敗すると1箇所だけ真っ白になったりマダラ模様になったりなど、ちょっと気を抜くとすぐに縞目模様が台無しになってしまう繊細さ。まさに熟練の職人の技術力が試される作業工程です。

 

そして最後は、職人がひとつひとつ親指の腹でその研ぎ澄まされた刃先を確認する。刃付けを担当する職人の手はその作業でボロボロなのだとか。このダマスカス刃の製作には最新技術と職人の経験と勘が命なのです。

 

そんな本物の刃物職人の方達の手によって生まれた今回の「繋ぐナイフ」。

スミカマさんが普段生産している包丁とは違い、折り畳みナイフは刃を掴むところが少ないため通常の作業と勝手が違い、開発当初の作業は困難を極めました。また、背中のシノギ(くぼみ)部分を作る工程も通常の包丁づくりにはない作業で、こちらもご苦労をお掛けした作業だったのです。

 

職人が誰ひとり喋ることなく、修行僧のようにただ黙々と目の前の作業に没頭する。刃物を作る工程では、一瞬でも気を抜くと指先が簡単に飛んでいってしまう。そのハンパない集中力が漲った現場には本当に圧倒されました。

スーッと刃が入っていく

ハマグリ刃に感動!

 

その断面がハマグリのように滑らかであることから名付けられたこのハマグリ刃。スミカマが誇る刃の最大の特徴です。ゼロエッジまで研ぎ切ったこのハマグリ刃は刃を入れた時に抵抗が少なく滑らかに刃先が入っていきます。芯が固いニンジンなどにも、スーッと刃が入っていくその感触にはきっと感動していただけると思います。

さて、次回は「繋ぐナイフ」のクライマックスとも呼べる希少種の5種類の木素材を使用したその柄(ハンドル)についてご紹介します。こちらもご期待ください!

 

刃のアゴから先端までを職人が細かくルーペで計測・チェック。刃の厚みが薄すぎると強度が、厚すぎると切れ味が劣る、その精度を保つことが切れ味に直結するため真剣です。切れ味のチェックには新聞紙を使用。刃先がスーッと入っていく何気ないその確認作業には目を見張ります。

布を貼り合わせたツルツルとしたニカワをボロボロにして磨きやすくしていく職人の宝とも呼ぶ道具の「砂バフ」。刃物職人ひとりひとりが自分好みに育て上げていく、自らの作業のために手作りする磨き専用の道具。スミカマさんの製作現場にも大切に保管されていました。もし火事になったら、真っ先にこれをもって逃げると言われるほど職人が命に代えても守るべき貴重なものです。

スミカマ主力製品である霞(KASUMI)には「Made in Seki Japan」と刻印されるほど、が生み出した刃物であることに強い誇りを持っています。

ここで一句。

 

ダマスカス

唯一無二の

この模様

職人ワザの

スゴミだな。

 

今回の、第4回キーワードは <ナ> です!